抗がん薬ばく露調査
抗がん剤ばく露測定サービス(医療機関・薬剤調製室向け)

医療従事者の
安全確保のために
調製室や投与室、回収・廃棄エリアなど医療現場で、抗がん薬の取り扱い実態に沿ったばく露調査を実施。ふき取り等の環境測定と運用確認を組み合わせ、関連指針に沿った評価と記録、改善提案まで一体で支援します。院内の安全管理に活用できる報告書形式で提供します。
抗がん薬ばく露調査について
抗がん薬の取り扱いは、治療を受ける患者さまだけでなく、抗がん薬を取り扱うメディカルスタッフのみなさまの健康にも配慮した環境を整え、抗がん薬曝露から守る必要があります。米国では、「USP800」というハザーダス・ドラッグを医療機関で適切に取り扱うための指針があり、曝露対策が制定されています。また、日本国内では未制定ではあるものの、メディカルスタッフの曝露問題は、取り組むべき問題のひとつとして認識され始めています。
身体も環境もモニタリング可能です
環境未来はこの課題解決のひとつとして、尿・唾液中の抗がん薬量の測定「生物学的モニタリング」をはじめ、作業環境や防護具に飛散した抗がん薬の測定「環境モニタリング」にも力を注いでいます。
特に、環境未来の特許技術であるサンプリングシート法は、どなたでも簡単かつ安全に検体の測定ができると高い評価を得ております。 私たちは、測定目的や場所、そして用途にマッチしたサンプリング位置や手法を提案し、メディカルスタッフのみなさまが安心して働ける作業環境づくりをサポートいたします。大切なメディカルスタッフの皆さまのためにも、定期的な測定をおすすめいたします。
活用例
環境モニタリング
- 外来化学療法室、薬剤部、病棟などの曝露調査
- 在宅治療している(されていた)家屋の調査
- 手袋、ガウン、マスクなどの防護具の透過性試験
- 空調フィルタ交換時の定期調査
生物学的モニタリング
- 尿中における特定薬物量の測定
- 介護者・院内清掃業者への曝露調査
調査推奨箇所
環境未来はこの課題解決のひとつとして、尿・唾液中の抗がん薬量の測定「生物学的モニタリング」をはじめ、作業環境や防護具に飛散した抗がん薬の測定「環境モニタリング」にも力を注いでいます。
特に、環境未来の特許技術であるサンプリングシート法は、どなたでも簡単かつ安全に検体の測定ができると高い評価を得ております。 私たちは、測定目的や場所、そして用途にマッチしたサンプリング位置や手法を提案し、メディカルスタッフのみなさまが安心して働ける作業環境づくりをサポートいたします。大切なメディカルスタッフの皆さまのためにも、定期的な測定をおすすめいたします。





測定方法
安全な環境構築は、飛散状態の視覚化から
抗がん薬には、健常者には危険な特性となる物質が数多く存在します。抗がん薬を取り扱うメディカルスタッフを抗がん薬による職業性曝露から守ることが極めて重要です。そのためには、飛散状態を数字としてしっかりと視覚化し、安全な環境を整える必要があります。
環境未来の抗がん薬曝露調査は、当社が特許を保有するサンプリングシート法をはじめ、ワイプ(拭き取り)法・抽出法など、場所やシチュエーションに合致した調査・分析を行います。
環境モニタリング
サンプリングシート法(特許 5846775/6055809)
調査したい場所に、3層の粘着シート「サンプリングシート」を貼り、一定期間後に一番上のシートを剥ぎ取り、送付するだけと簡単に取り扱えます。貼付した時点をゼロとし、抗がん薬の使用量と汚染量の関係を考察。閉鎖系器具導入前後の評価等、前後比較には最適な測定法です。
- 誰でも容易かつ安全に正しく測定する、特許を取得した独自の技術です。
- 2サイズを用意しています。作業台、点滴下(床)、廃棄ボックス前、トイレ、キャビネットなど、場所や用具に合わせてお選びできます。
- サンプリングシートを貼るだけなので、ハンドリングも容易です。個人差が現れにくく、曝露量を正確かつ簡便に測定することができます。
サンプリングシート法(貼り方~回収方法)
ワイプ法(拭き取り法)
アルコール含浸綿を用い、測定対象場所をワイプ(拭き取り)します。ワイプ(拭き取り)したアルコール含浸綿を専用のチャック付き袋に入れます。それらを定量分析することで、残留量を算出します。現在の曝露対策で期待する状態になっているかの確認、清掃方法が正しいかを数値で確認する場合や曝露調査のスタート時などに最適です。
ワイプ法(拭き取り法) -サンプリング方法-
抽出法
直接、各種PPE(個人防護具)や使用資材等を調査します(ガウン、シューズカバーなどに飛散した量を測定)。使用したPPEをチャック付き袋に入れ、定量分析します。
現在、以下のPPE・資材で調査が可能です。(弊社より送付しました物で調査をいたします)
- マスク
- 腕カバー(手首から肘まで:左右1組)
- シューズカバー(左右1組)
- モップ
- ガウン
ガウンの回収方法
腕カバーの回収方法
生物学的モニタリング
抗がん薬を取り扱うメディカルスタッフの唾液や尿を採取し、それらに含まれる特定薬物量を測定します。メディカルスタッフみなさまの健康管理のための定期モニタリングに最適です。
尿中濃度測定
検体容器に少量(約10mL)採取し、測定します。
調査薬剤:シクロホスファミド、白金製剤
唾液中濃度測定
検体容器に少量(約1mL)採取し、測定します。
調査薬剤:シクロホスファミド、白金製剤
尿の回収方法
唾液の回収方法
よくある質問
依頼手順・費用等について
- Q. 調査可能な薬剤と最小(検体)数を教えてください?
A. ●環境モニタリングの調査可能な薬剤は、現在、CPA【シクロホスファミド】、5-FU【フルオロウラシル】、GEM【ゲムシタビン】、PTX【パクリタキセル】となっております。この4薬剤につきましては、複数薬剤を測定する場合、同時分析を行うことが可能です。
●環境モニタリングの最小発注(検体)数は、以下の通りです。・調査薬剤が1薬剤の場合:「同一薬剤、かつ、10検体以上」で受託可能でございます。
但し、CPAの尿中濃度測定および唾液中濃度測定(生物学的モニタリング)につきましては、従来通り、それぞれ「5検体以上」で受託可能でございます。・調査薬剤が2~3薬剤以上の場合:「同一薬剤、かつ、5検体以上」で受託可能でございます。
・調査薬剤が4薬剤の場合:「5検体以上」で受託可能でございます。
*試験法【ワイプ(拭き取り)法、サンプリングシート法、直接抽出法】は、自由に組み合わせいただけます。
**尿中濃度測定および唾液中濃度測定(生物学的モニタリング)は、他の試験法との組み合わせをいたしかねます。
- Q. 見積の依頼方法を教えてください。
A. 「ご注文の流れ」をご確認いただき、お問い合わせフォームよりご依頼ください。
- Q. 抗がん薬曝露調査を行う際、費用はどのくらいを想定すればよいでしょうか。
A. 測定方法、調査箇所数、調査薬剤数により費用が異なります。
費用には、調査キット一式および送付費用、試験実施費用、試験結果報告書の作成費用が含まれます。
なお、検体ご返送時の送料は、お客様のご負担にてお願いしております。詳細は、お問い合わせください。
- Q. 見積もりの依頼方法を教えてください。
A. 「ご注文の流れ」をご確認ください。
- Q. 抗がん薬曝露調査を行う際、費用はどのくらいを想定すればいいでしょうか。
A. 測定方法、調査箇所数、調査薬剤数により費用が異なります。
費用には、調査キット一式および送付費用、試験実施費用、試験結果報告書の作成費用が含まれます。
なお、検体ご返送時の送料は、お客様のご負担にてお願いしております。詳細は、お問い合わせください。
- Q. 発注と調査キット送付までの流れを教えてください。
A. 「ご注文の流れ」をご確認ください。
- Q. 環境未来から送付されてきた調査キット以外で、検体を採取しても問題ないでしょうか。
A. 弊社より送付いたしました調査キット以外での検体採取は行わないでください。
調査キットが足りない場合は、営業担当にご相談ください。
- Q. 検体は、採取日より何日以内に返送すればいいでしょうか。
A. 最初に採取した検体の【採取~分析】が1ヶ月で終える必要がございます。
検体採取が複数日になります場合、最初の検体採取日より2週間以内に、弊社着でご返送ください。
また、その際、先に採取されました検体は、ご返送まで期間は、冷蔵保管をお願いいたします。
(ただし、検体が尿・唾液の場合は、冷凍保管をお願いいたします。)その他ご質問がございます場合は、営業担当にお問い合わせください。
- Q. 検体返送から試験結果報告書発行までの期間は、どのくらいでしょうか?
A. 通常、試験結果報告書の発行は、全検体が弊社に到着の後、約1ヶ月後です。年度末の繁忙期で発行が遅れます場合は、事前に営業担当より連絡申し上げます。
「ご注文の流れ」をご確認ください。
弊社の抗がん薬曝露調査サービスについて
- Q. どのような調査方法がありますか。
A. 環境モニタリングでは、以下の調査方法がございます。
●サンプリングシート法
●ワイプ(拭き取り)法
●直接抽出法
・マスク
・腕カバー(手首から肘まで:左右1組)
・シューズカバー(左右1組)
・モップ
・ガウンまた、生物学的モニタリングでは、尿中濃度測定、唾液中濃度測定がございます。
詳しくは「測定方法」をご覧ください。
- Q. 環境モニタリングと生物学的モニタリングでの試験結果は、それぞれ、どのように報告されますでしょうか。
A. 環境モニタリングでは、曝露量(ng)で報告いたします。調査箇所に対して、どのくらいの量の抗がん薬が残存していたかを確認することが可能です。
生物学的モニタリングでは、曝露濃度(ng/mL)で報告いたします。採取されました尿中、唾液中にどのくらいの濃度の抗がん薬がございますかを確認することが可能です。
- Q. ワイプ(拭き取り)法で検体を採取しますが、採取する面積や調査する薬剤の使用状況の変化の可能性から、アルコール含浸綿を複数枚使用することを検討していますが、問題ございませんか。
A. ワイプ(拭き取り)法で複数枚のアルコール含浸綿を使用して、測定することは可能です。
しかし、アルコール含浸綿の枚数の増加に伴い、測定時に使用する抽出液の使用も増加するため、併せて検出限界値も増加してしまいます。
少ないアルコール含浸綿で検体を採取いたしました方が、より細かい数値で測定できますため、可能な限り少ない枚数で検体採取いただくことをお勧めいたします。
- Q. 直接抽出法での測定値は、ワイプ(拭き取り)法のように、一定面積あたりの量と判断してよいでしょうか。
A. 直接抽出法では、マスク、腕カバー、シューズカバー、モップ、ガウンを用いて測定が可能です。
【モップ】拭き取りを行いました箇所での曝露量となります。
【マスク、腕カバー、シューズカバー、ガウン】通常、それぞれ1名様が使用されましたマスク、腕カバー、シューズカバー、ガウンに対しての曝露量となります。
- Q. 返送した検体は、測定後すぐに廃棄しているのでしょうか。
A. 試験結果報告書作成後、3ヶ月で検体を廃棄しております。
抗がん薬曝露・対策・調査について
- Q. 抗がん薬曝露調査調査について、もう少し詳しく教えて欲しい。
A. 薬剤師が安全キャビネット内で調薬することが多くなっていますが、病棟や処置台などで看護師や医師が行うケースもあります。調薬の際などでの液薬の飛び跳ねや、こぼれなどにより、エアロゾル(気体中に浮遊する、非常に微量な液体や固体の粒子)が発生することがあります。これらは当然目視することが難しいものです。また、抗がん薬は、微量であっても体内に吸収された場合、影響を及ぼす可能性があります。そのため、定期的に作業場所の曝露量を測定し、安全性を確かめる必要があります。
環境未来の特許技術であるサンプリングシート法を用いれば、現状の作業環境における抗がん薬の飛散状況はもちろん、曝露対策後の作業環境における飛散状況を「数値」で確認することができます。また、定期的に曝露調査を行うことで院内の管理も行えます。抗がん薬曝露からメディカルスタッフを守り、安心して医療活動に励む環境づくりが行えます。
- Q. どのような作業の時に曝露しやすいですか
- 調剤作業中の薬剤のこぼれや、飛び散ったとき
- バイアルや輸液バックへの針の抜き刺しとき
- アンプルをカットしたとき
- 輸液チューブを交換したとき
- 薬剤を投与したとき
- チューブや注射器などの接続部から薬液が漏れる場合
- 薬剤による汚染部位の清掃時
- 薬物や汚染した物質を廃棄処理する場所
- 投薬を受けた患者さまの48時間以内の嘔吐物や血液、排せつ物を扱うとき
- トイレ清掃
- リネン類の取り扱い時
- 在宅看護
以上のように、さまざまなシチュエーションや場所で曝露の可能性があります。
- Q. 体内に取り込まれる経路について教えてください。
A. 薬剤が飛び散った際に発生するエアロゾルを吸い込んだ場合や、直接液体が皮膚へ付着したり、目に飛び散るケースなど想定されます。直接薬剤に触れなくても、がん患者さまの便や尿への接触時、薬剤付着リネン類への接触時、手についた薬剤を飲食時に一緒に食べてしまう場合も想定されます。また、薬剤で汚染された針を誤って刺してしまうケースもあるとのことです。
- Q. 人体への二次被曝について、どのような症状が文献などで報告されていますか。
A. アレルギー反応や皮疹、目への刺激などの過敏反応、慢性の咳嗽あるいは喉の刺激、発熱などの免疫反応が報告されています。また、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状や、息切れ、不整脈、末梢浮腫、胸痛、高血圧などの循環器症状、そして頭痛やめまい、不眠や意識消失といった神経症状なども、急性症状として報告もあります。
- Q. 曝露対策の方法について教えてください。
A. アレルギー反応や皮疹、目への刺激などの過敏反応、慢性の咳嗽あるいは喉の刺激、発熱などの免疫反応が報告されています。また、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状や、息切れ、不整脈、末梢浮腫、胸痛、高血圧などの循環器症状、そして頭痛やめまい、不眠や意識消失といった神経症状なども、急性症状として報告もあります。
- Q. 抗がん薬曝露の閾値について教えてください。
A. 抗がん薬曝露の閾値は、各種ガイドラインでも明記がございません。初回に行います抗がん薬曝露調査の結果をベンチマークとし、それを維持もしくは低減していくことが目標になります。
ご注文の流れ
抗がん薬を安心して取り扱うお手伝いをいたします
メディカルスタッフのみなさまが抗がん薬曝露から身を守り、安心して医療に励むため、少しでもお力になれるよう、私たちは日々研究を重ねております。抗がん薬曝露調査に関するご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。ご依頼手順は下記の通りです。
step1 ~ご相談・ご依頼~
弊社Webサイトのお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
必要事項をご入力のうえ、送信ください。弊社にて確認後、担当者より連絡させていただきます。
ご希望を伺いながら、調査箇所一覧(Excel)を作成し、調査内容を確定してまいります。
step2 ~御見積書の発行・送付
見積承諾書のご返送と調査キットの送付~
調査内容確定の後、御見積書(見積承諾書付き)と関係書類を送付いたします。
見積承諾書の必要事項にご記入のうえ、PDFにしていただき、メールにて弊社 担当者へご返送ください。
弊社が見積承諾書を受領確認できた時点を抗がん薬曝露調査の個別契約の成立といたします。
成立後、通常3営業日以内に「調査キット」を弊社より発送いたします。
step3 ~調査と検体のご返送~
調査キットがお手元に届きましたら、調査キットと同封しております説明書の手順に従い、調査を開始ください。
検体採取後、発送までは冷蔵保管(尿・唾液は冷凍保管)をお願いいたします。
検体は、「ヤマト便の【冷蔵】」にて一括(全検体)、かつ、平日午前中着をご指定いただき、下記住所へ速やかにご返送ください。
検体が尿・唾液の場合は「ヤマト便の【冷凍】」にてお願いいたします。
(調査キットと同封しております「送り状」をご活用ください)
※送料はご負担ください。
[ご返送先]
〒390-1242 長野県松本市和田4010-5
環境未来株式会社 抗がん薬曝露調査 窓口
TEL:0263-88-3911
step4 ~分析と結果報告~
ご返送いただきました検体を分析し、その結果をメールにて報告いたします。試験結果報告書の発行は、全検体が弊社に到着の後、約1ヶ月後です。
試験結果報告書(例)は、下記(PDF)をご参照ください。
【Sample】抗がん薬曝露調査_試験結果報告書.pdf
step5 ~請求書の発行とお支払い~
試験結果報告書 発行月末日締めにて、請求書を発行いたします。※お支払いに係る振込手数料はお客様にてご負担となります。